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2020.02.28

足場の壁つなぎの設置基準

壁つなぎとは、足場を壁などに固定することや、その時に使う道具のことをいいます。
建物に足場を連結して、足場が倒壊したり変形したりすることを防ぎます。
労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則において、設置が義務付けられています。
2012年に埼玉県東松山市で足場が倒壊した事故は有名です。
そのとき足場に壁つなぎがされていませんでした。

そこで今回は職人の足元を守るための足場の壁つなぎの設置基準や、
補修方法などについてご説明いたします。

 

 

▶︎壁つなぎの設置基準は?

壁つなぎに関する設置基準は、労働安全衛生規則570条に規定があります。
その規定では
一側足場、本足場又は張出し足場であるものにあっては、
次に定めるところにより、壁つなぎまたは控えを設けることとしています。
壁つなぎ、あるいは控えの間隔は、単管足場の場合、縦に5m以下横に5.5m以下としています。

くさび式足場の場合は、単管足場と同様の設置間隔となります。

ビケ足場の場合、二階層と横に3スパンの間隔以内に設置すれば、
労働安全衛生規則の規定を満たすことになります。

風による荷重が大きい場合は、風荷重の影響を考慮するだけでは足りず、
ブラケット一側で施工する場合は、足場の構造が軟弱であるため、
高さを3.6m以下とするという仮設工業会の基準があります。

住宅工事用足場は、強度はそこまで必要ありませんが、
新築工事は建方作業前の足場先行工法として組み上げられることがほとんどで、
足場自体の自立安定性が求められます。
また、建物の構造から壁つなぎの設置が嫌がられることが多く、
かつ敷地が狭く足場の外側に控えを設けることが困難な場合も見受けられます。
そうした控えを設けることが困難な場合は、
厚生労働省のガイドラインによれば、全周を緊結した構造とすることとしています。

 

▶︎壁つなぎの仕組みと使われる場面

当然、大なり小なり穴を空けて用います。
大抵は壁の下地にある木造の柱や梁、鉄筋コンクリートなら鉄骨やコンクリートに、
ネジもしくはアンカーを打ち込んだり溶接したりして、その頭に「壁つなぎ」を接続するのです。
鉄骨の部分がむき出しになっている場合等は、キャッチクランプを使って単管で控えを取ったりします。
壁つなぎを使う場合は、RCの現場が多いです。
鉄骨の新築の現場などでは、アンカーを溶接して壁つなぎを付けたりもしますが、
塗り替えなどのリフォーム等では新築のように溶接はできませんから困ったことになります。
RCは通常は4分のアンカーを使います。直接壁つなぎを付けることができます。

 

▶︎壁つなぎが取れない時や補修の方法は?

最近では、工事完了後に壁つなぎは適切に処理を行い、
見栄え的に目立たないよう取り外してしまうことがあまりなくなりました。
メンテナンスなどの目的で再度足場組みを行うために、足場の壁つなぎを残して置くケースが増えてきました。
解体時は設置されている壁つなぎはみだりに外さないようにすることが大事です。
壁つなぎを外す適切なタイミングは足場を解体する時です。
足場がある状態で壁つなぎを外すということは
倒壊のリスクがあるため絶対にやめておいたほうがいいでしょう。
よって、外壁職人と連携して、足場解体しながら壁つなぎ部分を補修していくことになります。

 

▶︎まとめ

壁つなぎとは、足場を壁などに固定することや、その時に使う道具のことをいいます。
建物に足場を連結して、足場が倒壊したり変形したりすることを防ぎます。
アンカーで壁に打ち込む仕組みになっています。
メンテナンスなどの目的で壁つなぎを残しておくケースも増えてきました。
施工主は建物に穴を開けることを嫌がりますが、足場職人だけでなく多くの職人の危険も考えて、
厚生労働省のガイドラインにしたがって足場の補強を怠らないようにしましょう。

 

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